
「ギブアンドテイク」というフレーズ、聞いたことのある言葉だと思いますが本当の意味をご存知でしょうか?
何かを与えたらその見返りに何かをもらう、また何かをもらったらお返しに何かをあげる、という相互補助の意味です。
与える側と受ける側の双方にメリットがあるため、人間関係をうまく続けていくアプローチの一つとして広く知れ渡っている方法です。
このフレーズ、Takeの前にGiveが来ています。「まずはGiveをしましょう。Takeをするのはその後です。」という姿勢がうまく表れていると思います。
また最近では「Give&Give」というフレーズも聞きます。こちらは「Takeとしての見返りを期待せず、自ら進んでGiveをする人になりましょう」と言った意味が込められています。
私はこのGiveを優先する姿勢がとても好きです。
アメリカに住んでいると、Giveの精神が当たり前のように社会に広がっているなと感じます。ボランティア活動やチャリティイベントなどはほぼ毎週のように町のどこかで催されていますし、何か特別な団体や活動グループに所属せずとも「ボランティアをやってみたいな」と思ったら、すぐに登録してイベントに参加することができるます。
そして、意味を理解した上で行動するかしないかによって、その後、享受できるギフトの質も異なってきます。
もしそうなら、ギブアンドテイクの本当の意味を理解した方が良いですよね?
今回は、ギブアンドテイクの意味、そして、人生を好転させる為に必要な考え方について、ご紹介します。
ギブアンドテイクの意味
ギブアンドテイクの意味を、『一つ与えたら一つ見返りを受け取る』という意味だと思っている人が多いと思いますが、それだと、ギブアンドテイクの本当の意味を理解している事にはなりません。
本当は、ギブアンドギブアンド・・・・・・ギブアンドテイクなんです。
相手に一つ与えたら、一つ見返りを貰うようなものではなくて、本当の意味としては、与え続けていたら、本当に必要なタイミングで助けを差し伸べてくれるような大事なギフトを頂けるという事なんです。
相手から貰う事に執着するのではなくて、相手に与える事に意識を向ける事が非常に大事です。
返報性の法則
返報性の法則(へんぽうせいのほうそく)とは、人間が持つ心理のひとつです。
通常、人は他人から何かをしてもらうと、お返しをしなければならないという感情を抱きますが、この『お返しをしなければならない』という不思議な心理を返報性の法則と言います。
返報性の法則には、「好意」の返報性と「嫌悪」の返報性の2種類があります。
人は好意を持っている相手からは好かれたいと思うものなので、自分に好意を示し、高く評価してくれる相手に好意を持ちます。
これを好意の返報性といいます。
また反対に、自分を嫌っていることがわかっている相手や悪く評価する相手に対しては、嫌悪感を抱いてしまうものです。
これを嫌悪の返報性といいます。
つまり、相手に好意的にギブし続ける事で、好意の貯金残高が増え続け、大きなギフトをまとめて頂けるという事になります。
無償を心がける
明らかに見返りを求めているのがわかると、本当に幻滅してしまいます。
本人にそういうつもりはないのかもしれませんが、ギラギラ感が伝わってきてしまうので、逆効果にしかなりません。
例えば、非常に困っている時に、何の見返りも要求されず、何かを与えられた人はどう思うでしょうか?
何としても相手に多く返したいと思うに違いないでしょう。
無償の行為こそが最大の効果を発揮します。
あなたはどのタイプ?
ペンシルバニア大学ウォートン校の組織心理学者、アダム・グラント氏の筆者「Give and Take:A Revolutionary Approach to Success」によると、人は主にGiver・Taker・Matcherの3タイプに分けられるそうです。
Giverは人に惜しみなく与える人
Takerは真っ先に自分の利益を優先させる人
Matherはその中で、損得のバランスを考えながら行動する人
になります。さて、この中で会社の組織で一番成功するタイプはどれでしょう?
彼の研究によると、最もポジションと給与が高かったのは、実はGiverの人達だったそうです。GiverよりもTakerの方が自己のために行動するので成功しやすいのでは?と思った方もいるかもしれません。確かにTakerは短期的には有効なようですが、「あの人は自分のことしか考えない利己的なやつ」と周囲から見られるようになり結局、長期的にはマイナスの結果になるとのこと。成功するには自己中ではダメなんですね。
最近のミレニアム世代を皮肉って表現する、「Entitlement」という言葉があります。直訳すると「権利」という意味ですが、「私はこの権利を与えられて当然」「あなたは私のためにこれをしてくれて当然」といった態度を表現する言葉です。まずは、私にとってふさわしいと思う権利を私に与えなさい。そこで初めて、相手へリターンを提供しますという発想のようです。
言いたいことも分からなくもないですが、これではまるでTake&Giveですよね。自分を中心に考えるTakerではなく与え続けるGiverなマインドを持ち続けていたいですね。